レストランガイド について
紙の本
いい店うまい店(文芸春秋社)
文芸春秋社が1967年から出版。50年近い歴史を誇る。
写真はなく、匿名の評価者による文章オンリー
「ミシェラン前」はこの種の本の定番として高い評価を得ていた。
評価が「味」「内装」「サービス」の三本立てなのは良い
ミシェランが日本に進出した2008年以降は、内容や方式が完全にかぶるために知名度で負け、冴えない
ZAGAT
弁護士のZAGAT夫妻がNYで1979年始めたレストランガイド。
特長は、ユーザーの投票をもとに点数を決める
点数評価は3本立てで、「味」「雰囲気」「サービス」で、これに参考情報として平均単価 が加わる
都市別の発行で、NYから始まり世界中の主要都市版がある
日本でも「株式会社CHINTAI」が提携して1999年の東京版からはじまった。、
米国では最も売れているレストランガイド
2011年にGoogleが買収。 Google ビジネス との合体を考えていると思われる。
日本での知名度は低いため、やはりミシェランに負け、日本版は「東京2013年版」を最後に廃刊となった。
点数評価が非常に正確であり、私が最も好きだったレストランガイドであり、かっては会社に一冊、家に一冊置いていたほどなので、廃刊は非常に残念。
ミシェラン
ミシェランの成功を見るにつけ、日本人がいかにフランスに弱いかを強く感じる
ミシェランが進出してきた最初の2008年版などは、内容は悲惨であったにもかかわらず、テレビなど「あのミシェランが」と大々的に取り上げ、Wikipedia によれば、「発売日から4日間で日本語版初版12万部をほぼ完売、2008年2月末までに29万部以上を販売した。発売初日に9万部も売れたのは、ミシュランガイド史上初めてであったという。」
永井荷風の「ふらんすへ行きたしと思へども ふらんすはあまりに遠し」の時代から、日本人のフランス崇拝は全然変わっていないのだな、と改めて思うと同時に、日本の「グルメ」の主体性のなさ、を感じた。
掲載を拒否した名店に対し、ミシェランが写真を除き掲載強行した上で、総責任者ナレが「店の売り上げが伸びるのに残念。評価されたくなければ違う仕事をすべきだ」といった発言を行い、批判を浴びた。仮に常連客だけで満席で、店も客もそれで満足している店が、ミシェランに掲載され物見高い客が殺到したら店も客も迷惑するのは明らか。「金儲け万能主義かつ、上から目線の発言」をする高慢な人が最高責任者のガイドブックでもある。
もともとは、価格は関係なしに、「皿の上の『味』だけが評価基準」と言いながら、最近はラーメンなどのB級グルメも掲載し、日本化を図っている模様。
東京いい店やれる店(ホイチョイプロダクション)
書名は、明らかに文藝春秋社の「いい店うまい店」のバロディーだが、内容は極めてユニークなレストランガイド。
ユーモアあふれる語り口で私のイチオシ
但し、皿の中身(味)で店を評価をしているのではなく、女性と「やれる」につながる店かどうか、の一点で評価しているので、通常の「味を主体とした」レストランガイドではないことに注意。
中身は濃すぎるほど濃い「食と女性を誘うコトに関する蘊蓄」の固まり。とても通しては読めないほどの濃さである。
全部で35章あるので、1回に1-3章ずつ読みすすむことをお勧めする。
各章で扱っているのは、例えば、
八重桜、アスパラガス、唐辛子、鱧、鮎、鰹、蛍、鮨、月見、上海蟹、ふぐ、おでん などなど
あとは、章のタイトルを覚えておき、必要に応じて読み返すのが良いだろう
但し、35歳以上の男性限定本である。理由は本書に書かれている。
- 作者: ホイチョイ・プロダクションズ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/07/10
- メディア: 単行本
- 購入: 5人 クリック: 114回
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ネット上のレストランガイド
ネット上のレストランガイドとしては「ぐるなび」と「食べログ」を挙げれば十分であろう
ぐるなび
ネット上で検索できるレストランガイドの老舗
ネットの第一世代の代表。
「掲載料モデル」で、レストランからお金をもらって掲載しているため、レストランの「味」や「評判」を評価することは出来ない。
「クーポン」が売り。ユーザーは、例えば「ビール一杯」がサービスになり、店側にとっては、ぐるなびに掲載料を払っている効果測定になる。
もっとも、クーポンを提示した客が、必ずしもぐるなびを用いて店を決めた、ことにはならないが。
味の評価がないため、私にとっては「役立たず」。見ることはあってもこれを用いて店を選定したことはない。
多人数で食べれる店などを選定するときには良いかも。
掲載料モデルなので、運営会社の収入的には安定している。東証一部上場企業となった。