永遠の旅人日記

好奇心一杯に生きて来た人生。テーマは、女性用バイアグラから橋下徹まで、かなり広範囲。

佐野研二郎氏のパクリ疑惑 (2)

前回

先日のブログで、サントリーのトートバックは、アシスタントが、勝手にパクったのではないか。
東京オリンピックのエンブレムの方は、正直わからない、と書いた。
佐野研二郎氏 のパクリ疑惑 - 永遠の旅人日記

東京オリンピックのエンブレム

その後、本体のエンブレムの雲行きがかなり怪しくなってきた。
経緯はこうだ。
これまで、公表しない、と言ってきた組織委員会が、佐野氏の「当初案」を公表した。それが下図。
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これでは、あまりに単純過ぎて著作権 の問題が起こりそうなので、佐野氏による二度の修正を経て、例の当選作になったという。
確かに、この当初案は、ベルギーの劇場のロゴをパクってはいない気がする。
しかし、この選考過程が更なる疑問を生む。

アルファベット疑惑

まず、アルファベット問題
佐野氏は、パクリ疑惑が生じたあと、パクリではない証拠として、「実は、Tのデザインだけでなく全てのアルファベットについてもデザインしてある」として、下記の一覧を公表した。

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ところが、この一覧の T を見て欲しい。もし、応募前に、これらのアルファベットを作成していたら、T は、当然、当初案のTであるべきだが、修正後の T になっている。
隅の三角も曲線ではなく、直線であるべき。

と言うことは、このアルファベット一覧は、問題が生じた後に、慌てて作成したものではないかという、疑問がわく。

実際、どのアルファベットも大したデザインに見えない、とは先日のブログにも書いたとおり。

当初案と、最終当選作

次に、そもそも、当初案と当選作があるっておかしくないですか?
書道や絵画のコンペで、審査委員が応募作にアドバイスして手を入れさせた上で1位に選ぶ、なんてことをしますか?
デザイン界ではそれが当たり前?

不公平な審査

さらに、委員会のアドバイスをもとに二度にわたり修正して当選作になったと言う。

この説明を素直に解釈すれば、今回のコンペで、そのまま使える案は佐野氏のものも含め一つもなかったということだ。
どれも合格点に達しないなら、上位3案程度を公表し、それぞれの問題点を指摘した上で、その3人だけで再度コンペをすれば良いではないか?
特定の一人だけ脇に呼んで、修正させた上で当選させるのは著しく不公平だと思う。
それも下記のとおり、ちょっとした修正ではなく大幅な修正だ。直線だった所が曲線に変わっている。コンセプトが違う。
真ん中が当初案、右側が、わけのわからん第1修正案。
さらに修正して当選作になったのが、左端だ。

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結論

こういうことを考え合わせると、今回は、最初から佐野氏の当選が決まっていた、と考えざるを得ない。談合だ。
だから、不完全な佐野氏の当初案を、委員会主導で寄ってたかって修正させ、当選作にしたのではないか。

86歳の審査委員長、永井一正氏が、佐野氏の同僚の父親で、HAKUHODO DESIGN社の元社長だと言うのも気になる。
業界の大物委員長の言うがままに修正して、当選させてもらった、と思うのは私の妄想だろうか?