永遠の旅人日記

好奇心一杯に生きて来た人生。テーマは、女性用バイアグラから橋下徹まで、かなり広範囲。

安楽死について

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はじめに

日本でも尊厳死の法律化が議論されているが、一向に進まない。私は、人間には、生きる権利と同時に死ぬ権利もある、と思うのだが、、、
そこで今日は、安楽死について考えてみた

尊厳死安楽死の違い

似た言葉で、混同されやすいので、最初に整理しておく。

尊厳死 (消極的安楽死と呼ばれることもある)は、不治で末期に至った患者が、本人の意思に基づき、
延命措置を断わり自然の経過のまま受け入れる死のこと。

安楽死(積極的安楽死と呼ばれることもある) は、本人の自発的意思に基づき、
(医者が) 自殺を幇助して死に至らせること。

尊厳死するために

本人の意思確認は、本人が健全な判断ができる段階でなされることが大切。

本人が意識のあるうちに「延命治療は嫌だ」と話していても、「どこまで本気だったかわからない」「一日でも長く生きてほしい」「治療を諦めたくない」と、家族が本人の意思を無視して延命治療を選んでしまうことがある。

従って、意思表示が出来る間に、リビングウィルのような形で文書化しておく事が望ましい。

それでも、現行法の元では、医師が、「医師として最善を尽くさなかった」として法に問われるリスクがある。

1962年の名古屋高裁の裁判例により、以下の6つの要件を満たさない場合は違法行為になるとされている
 1.死期が切迫していること
 2.耐え難い肉体的苦痛が存在すること
 3.苦痛の除去・緩和が目的であること
 4.患者が意思表示していること
 5.医師が行うこと
 6.倫理的妥当な方法で行われること
 出典;wiki

尊厳死法制化の動き

そこで、本人の意思による尊厳死を法的に認めるよう超党派議連の動きはある。法的に認められれば、リビングウィルが無視されることもなくなり、医師の責任も問われなくなる。
しかし、下記のような反対意見もあり、なかなか進まない。

反対意見

  • 医療提供を受けなければ生きられない社会的弱者に、死の自己決定を迫る危険性がある
  • 人の死に国家が介入すべきではない
  • 延命措置の中止は命の軽視につながる

私には、いずれの反対意見も意味不明で、本人の意思を無視している、としか思えない。一番大事なのは、本人の意思ではないのか?

安楽死(積極的安楽死)が認められている国々

尊厳死ですら、医師の責任が問われかねないのに、もし医者が安楽死させた場合、日本では殺人罪に問われる可能性が大である。実際そのようなケースは幾つかある。

しかし、海外には、本人の意思を尊重し、安楽死(自殺の幇助) を法的に認めている国々や州が存在する。

スイス - 1942年  
オランダ - 2001年 ベルギー - 2002年 ルクセンブルク - 2008年
アメリカ
オレゴン州) - 1994年
ワシントン州モンタナ州) -2009年
バーモント州) - 2013年
ニューメキシコ州) - 2014年
カルフォルニア州) - 2015年

スイスだけは1942年から、と70年以上の歴史があるが、残りの国々は、この15年内位の話であり、最後のカリフォルニア州で認められたのはほんの一週間前だ。

外国人の安楽死は可能か?

これらの国々で、外国人の安楽死を受け入れているのはスイスの「ディグニタス」という機関だけだ。年間 100~200人の外国人末期ガン患者などが、スイスで安楽死を選択する、という。
「ディグニタス」によると、安楽死を幇助するためには、会員の医療記録を徹底的に分析し、回復困難だと判断された場合のみ、致死薬が処方される。
うつ病などの精神疾患安楽死の対象外。
致死薬の処方が可能と判断された患者の8割は、その時点で自殺願望が弱まるという統計もある。

安楽死

オランダの安楽死数は、2012年に約4200人で、同国の年間死亡者数の3%に上る。オランダの人口は日本の7-8分の1位だから、日本で言うと、3万人強に相当する。
丁度、日本の年間自殺者数位の数字になるから、結構な割合だ。

生きる義務?

日本の病院は、患者がどんな状態になっても生かそうとする傾向がある。

介護現場の人からは、チューブに繋がれた老人から、殺してくれ!と依頼された、という話しは良く聞く。安楽死が許されていない日本では、笑って聞き流すしかない。

私の父も、晩年の三年間ほど、有料の老人介護施設にお世話になった。その時、何気なく「どう?」と聞いたのに対し「地獄だ」と答えたのを聞いたことがある。
別に、施設の扱いが悪い、という意味ではない。78歳にしてスイスでパラグライダーに乗るほど、好奇心が旺盛で活動的だった父が、チューブには繋がれないものの、トイレも食事もままならず、日がな一日ボーっとしていなければならない状況を指したのだ、と思う。私には重い言葉だった。

生きるとは何か?

息をすること、心臓が動いていることなのか?
それとも、自分の意思をしっかりコミュニケートできることなのか?
何らかの活動ができることなのか?
「生きることは義務」なのか?
「死ぬ権利」はあるのか?
など
安楽死尊厳死が問いかけるものは大きくて重い。

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参考にしたサイトです

尊厳死と安楽死の違いはありますか?|日本語・日本語教師|アルク
Wiki
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E6%A5%BD%E6%AD%BB/尊厳死 - Wikipedia

安楽死 - Wikipedia


トップページ | 日本尊厳死協会

オランダで「安楽死専門クリニック」が話題 「日本」でも開業の日は近い?|弁護士ドットコムニュース