永遠の旅人日記

好奇心一杯に生きて来た人生。テーマは、女性用バイアグラから橋下徹まで、かなり広範囲。

”入札制度” の合理性

はじめに

昔、埼玉県のマンションに住んでいた時、大規模マンションの管理組合の役員をやったことがある。
最大の課題は、駐車場が足りないことだった。

駐車場問題

構造としてはこうだ。
仮に世帯数を100としよう。
駐車場は、60台分用意されているが、車を持っている家庭は、70世帯なので、常時10台分足りない。
そこで2年に一回全取替えの抽選を行なっていた。
駐車料金は、20年間 1台8000円のまま据え置き。

どこのマンションでも良くありそうな状況だ。

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落選者の嘆き

抽選の落選者は、マンションから離れた場所にある民間の駐車場を借りざるを得ず、
不便な上に、料金も高かった (当時の相場の1万2000円)。
さらに、運悪く、抽選に2回も3回も続けて落選する人もいた。

そこで、「不公平」だとか、「差額の4000円を管理費から援助してくれ」とかの話になった。

私の提案

私の考えは、以下の通り。

落選者から不満がでるのは、周りの民間の料金が高いのではなく、マンションの駐車料金が20年間据え置きで、安過ぎるから

したがって、「2年に1回の抽選」は、割安駐車料金をゲットするための、既得権争奪戦になり下がっている。

マンションの駐車料金を妥当な市場価格とするために、入札制にして60番目の入札価格を駐車料金にすべき。

結果

入札制は反対多数であえなく否決。
車を持っている人々は、入札制度になれば、駐車料金が上がる怖れがあるので必死に反対。車を持たない3割は、直接自分と関係がないので傍観した結果だ。

普段は、やれ既得権益はけしからん、と憤っている庶民も、いざ自分のことになると「僅か月数千円の既得権でも守るのに必死になるんだ」と、妙に感心したことを覚えている。

私はもう引越してしまったが、今もそのマンションでは、十年一日のごとく、出口のない駐車場問題の議論を繰り返しているに違いない。

日本で物事を合理的に進めるのはなかなか難しい。