永遠の旅人日記

好奇心一杯に生きて来た人生。テーマは、女性用バイアグラから橋下徹まで、かなり広範囲。

創業6年半で企業価値6兆5000億円の米国ベンチャー (前編)

こんなのありっ?

まずは、下記の数字を見て欲しい。

  • これまでに調達した資金が数千億円
  • 今年度の売上予測 1兆3000億円($10billion)
  • 未上場だが現在の時価総額推定 6兆5000億円 ($50 billion}

ご参考 他社の時価総額

こんなのありかっ!?
という数字だ。
創業してたった6年ですよ!
6年で、企業価値パナソニックの2倍、トヨタの4分の1です。
こういう企業が出てくるところがアメリカの凄さなんだよなー
日本では、絶対あり得ません!

Uber(ウーバー) とビジネスモデル

この会社の名前は、Uber

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最先端のハイヤー配車システムを武器に、あっと言う間に全米というか、世界最大のハイヤー会社にのし上がったベンチャー企業だ。

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欧米では、タクシーとハイヤーがはっきり分かれている。
例えば、NYでは流しのタクシーは免許数が限られており、その数は、1万3000台ぽっち。東京の5万台に比べてはるかに少ないため、常にタクシー不足。
メダリオンと言う名の営業権は、1台1億円ほどの値段がついており、タクシー運転手は、年間何百万円も支払ってその権利を借りて営業している。

一方、ハイヤーには、そのような制限はないが、街を流すことは出来ない。個人営業だったら、タマタマ電話がかかってきても、その時都合が良いとは限らない。
客も、土地勘の無いところでハイヤーを頼むのは大変だ。

その間隙を縫ったシステムを構築したののがUber。
ネットとスマフォを活用し、ハイヤーの形態ながら、使い勝手が良いので、ほとんどタクシーのように使える。さらに、一般人が自家用車を使って、簡単にハイヤー営業を始められること、がミソ。

Uber と運転手

  • 運転手は、Uberと契約する。
  • 運転手は専業とは限らない。一般のサラリーマンが、自家用車を使って自分の都合の良い時間だけアルバイトすることも可能。
  • 運転手は、スマフォだけあれば、「無線」も「ナビ」も「料金メーター」も「クレジットカードの読み取り機」も不要
  • Uberは、客のリクエストに基づき配車を行う。Uberが乗車料金の30%をとり、運転手には70%が振り込まれる。(先に、今年度の売上予測 1兆3000億円と書いたが、Uberは、客と運転手のマッチングのシステムを運用するだけで、全売上の30%、即ち3900億円が入ってくる計算になる。)
  • 車や、ガソリン代は運転手持ち。
  • 運転手にとっても、好きな時間に勤務できる。いけすかない上司もいない。
  • 取り分が70%と、タクシーより割が良いので、タクシー運転手から転職する人も多い。

客にとって

  • 客は、スマフォの専用アプリを用いてオーダーを出す。
  • 客の位置は、GPSで知る。
  • 現在地を示すビンを地図上に立てるだけで、何分で車がくるか、が表示される。
  • オーダーを出せば、運転手名、運転手の評価点、車種名と同時に、車両の現在地も地図上に表示される。
  • 運転手の顔写真をクリックすれば携帯に電話もかけられる。
  • 客は会員登録し、クレジットカードも登録するので、乗車料金は自動的にクレジット決済。サインも不要。目的地に着いたら、車から降りるだけ。
  • 詳細な領収書は後からメールで届く

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  • 運転手も客も登録されているので、両サイドからの評価が行われる。客もあまり行儀が悪く、評価が低いとUberに拒否され、配車されなくなる。
  • 運転手は、客に評価されるから、せっせと自分の車を磨き、応接にも気を使う。
  • 料金は、距離と時間で自動計算されるが、市場原理が働くようブログラムされており、時間帯によって変動する。当然、朝夕のラッシュ時間帯は高くなり、5割増しくらい、
  • 車のランクによっても値段は異なり、客は自由にランクを指定できる。基本的に高級車。


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大変に合理的なシステムだ。
運転手側に何の設備も必要なく、スマフォと車さえあれば、今日からでもハイヤーを始められる。

uberの実績

米国では、2010年に実際のビシネスを始め、たちあがったのは、2012年。

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こういう事業の常として、立ち上がった後の成長は速い。
その後の5年間で、53カ国、250都市で利用できるようになった。
世界標準の、ネットとスマフォ、GPSをベースにしたアプリなので、海外進出は容易。パートナー会社を見つけ、言葉を現地語にするだけ。
2014年の年末には、12月31日だけで世界で約200万人が利用したと言う。

タクシー不足のNYでは、1万3000台のタクシーに対し、Uberが2万台になったそうだ。おかげで、1台1億円以上していたメダリオンという営業権が、4割下がった。しかし、もともと超タクシー不足社会なので、タクシーの売上にはほとんど影響していない様だ。

長くなったので、今日は、ここまでにしよう。今後の課題など、続きはまた明日。

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Uber 利用記
http://www.yuu-koma.jp/?p=9252