永遠の旅人日記

好奇心一杯に生きて来た人生。テーマは、女性用バイアグラから橋下徹まで、かなり広範囲。

「城」や「島」まで貸し出す AirBnB

はじめに

2日続けてUberをご紹介した。Uberは、自家用車を見ず知らずの他人と共有し、それによって多少のおこずかいも得る、という、シェアリングエコノミーの代表だが、もう一つの代表が、部屋を貸し出す、という、AirBnB

AirBnB のはじまり

2人のデザイン系の若者が、地元サンフランシスコで開かれる大きな国際デザイン会議で、ホテルが足りないことに気づいた。
賃貸料の支払いにも汲々としていた2人は、自分達の部屋に三人泊まれるスペースを作り、朝食も作ってBed and Breakfast 形式でもてなした。
それが、利用者にも、安くてフレンドリー、と大変評判が良く、徐々に規模を拡大し、インターネットにサイトをつくり、、、

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バラエティ

興味深いのは、貸し出す物件のバラエティだ。

エアベッド、共用スペースから、1戸建て住宅やアパート、個室、城、クルーザー、荘園、ツリーハウス、テント、個人所有の島 まで物件が拡がった。

これらのリストを見て、旅館やホテルの代わり、というより「新しいシェアリングエコノミーの息吹」を感じるのは、私だけだろうか?

仕組み

ちょっと考えればわかるが、

  • 自分の所有する物件を見ず知らずの人に貸す
  • 借りる側も、ホテルや旅館ではなく、見ず知らずの人の物件を借りる

というサービスので、「お互いの信用」が一番の問題になる。
従って、このサイトの利用者は事前に登録し、本人のオンラインプロファイル (自己紹介) を作成することが要求される。当然だが、写真なども含めて、詳しく書くことが推奨されている。

ホスト(物件を貸し出す側)も、利用者を安心させられるだけの詳しい自己紹介と、物件の紹介が必要だ。
ホストのプロファイルには、ネットのお約束どおり、

  • 宿泊客のコメント
  • 宿泊客の評価

が表示される。

こうして、これまで技術的に難しかった、両者の信用の担保が、ネットとスマフォをベースに可能となったことにより、シェアリングエコノミーが、大きく立ち上がってきている。

AirBnB 実績

  • 192カ国に展開
  • 33,000の都市に存在
  • 100万ヵ所以上の宿を提供
  • 延1000万人以上の宿泊実績
  • まだ未上場だが、創業7年で時価総額は、100億ドル(1兆3000億円)

日本のサイトwww.airbnb.jp

日本でも宿泊施設不足

オリンピックを控え、外国人の訪日客を1000万人から、3000万人までふやそうとしている政府にとって、稼働率が9割を超えている東京のホテル事情は問題だ。

オリンピックまで待たずとも、東北4大祭り、阿波踊り、花火大会などの大きな祭りや、大きな会議があれば、現地のホテル・旅館は足りなくなるのが常。こうした時に、AirBnB の様なサービスがあると、とても便利。

日本の規制

ホテル・旅館を経営しようとすると、「旅館業法」「建築基準法」「消防法」「食品衛生法」などでがんじがらめだ。
国民が安全の確保をお上に託してきた結果だ。

しかし、下記の様に、少し新しい動きもある。

国家戦略特区の対象地域になっている大田区では、マンションの空き部屋などを宿泊施設として活用する「民泊」を、一定の条件で認める条例を年内に制定する方針を表明した。

少しは良い方向に向かっているようにも見えるが、既存の業者から、「自分達は、多大なコストをかけて諸規制を守っているのに不公平だ」との反発も強い。

ただ、田舎家を貸すのに、消防法で定めた、部屋毎のスプリンクラーが必要か、という問題もある。
新しく、効率的で、将来有望なビジネスを育てるには、従来の規制をそのまま適用するのではなく、早めに新しいルール作りが必要だろう。
「新しい酒は新しい皮袋に」盛って欲しい。

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参考にしたサイト

2010 30 Under 30 List: Brian Chesky, Joe Gebbia, and Nathan Blecharczyk, Founders of AirBnB | Inc.com