永遠の旅人日記

好奇心一杯に生きて来た人生。テーマは、女性用バイアグラから橋下徹まで、かなり広範囲。

大避難

スーパー台風

NHKスペシャルで「大避難」を見た。

地球温暖化により台風の進路が変わり、超大型台風が東京を直撃する可能性が高まった、という。

ゼロメートル地帯に 160万人

スーパー台風が来た場合、荒川と江戸川に挟まれた、海抜ゼロメートル地帯が問題。
江戸川区、葛飾区、足立区の全域、住民約180万人が危険に晒される。

直撃 24時間前

台風は、まだ日本の南南800キロ。 雨はやや強いが、風は強くない。
この時点で避難する人は、全体の5%のみ。

9時間前に避難勧告

関東が暴風域 にはいり、時間80mmの雨 が叩きつける。
実は、この時点の避難勧告では既に手遅れ。

人々は、北千住駅などの駅に殺到するが駅に入りきれない 。そのうちに電車も暴風雨でストップ。

車で逃げようにも、川で囲まれているために橋で大渋滞し、一時間に250mしか進めない。
結果として、 162万人が取り残される。

直撃 3時間前

風速 30mとなり、看板などが飛ぶ。
荒川の堤防が決壊すれば、2時間で3区の大半が水に浸かる。
海抜ゼロメートル地帯なので一旦水が出ると、2週間以上引かない。

ニューオリンズ の教訓

10年前、カトリーヌ台風が人口38万人のニューオリンズを襲った際には、10万人が逃げ遅れ、1800人が亡くなった。
21時間前に避難命令が出たが、遅かった。

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そこで、ニューオリンズ市では、カトリーヌを教訓に対策を立てた。
二日前に200台の公共バスと、500人のボランティアを動員して避難を始める。

30時間前には、強制避難命令を発令し、車線を一方通行とし、12時間前までに避難を完了させる計画だ。

ゼロメートル地帯対策

NHKによれば、ニューオリンズを見習い、台風直撃の二日前から避難を始める必要がある、という。
子供、お年寄り、障害者 と付き添いなど42万人がまず避難。これを30時間前までに終了させる。この時点で、台風はまだ日本の南 1000キロの地点。

24時間前

  • 避難命令を出すと同時に、幹線道路は一方通行とし、台数制限 も行う。車で逃げれる人は33万人程度。
  • 電車は、ラッシュ並の間隔で運転し、1106本で44万人を運ぶ。
  • 残り50万人 は、高い建物に避難

という、計画だそうだ。

実行可能か?

上記の事実を知ると、うーん、と考え込まざるを得ない。

  • 大体、百数十万人は、何処に避難するのだろう? 親戚の家? 友人の家?
  • まだ台風の影響も軽微な二日前に、本当に避難を開始出来るのだろうか?仕事は?
  • 天気予報だって外れることはある。一度外れたら、2度目は親戚も嫌がるのでは?

ではどうする?

大体、百数十万人を一日半で避難出来るのか?上記の3区だけで、ニューオリンズの5倍の規模だ。
選択肢としては、

  • 大避難を敢行する
  • 住居に籠城する
  • そもそも住まない様にする

の3択しかない。

どの案にしても、今までのような民主的なやり方では無理だと思う。本気で人命を救うなら、もっと強権が必要ではないか。

避難案

避難案でいくなら、スーパー台風戒厳令、のような法律を作る。この戒厳令が出されたら、3区の住民は仕事をしてはいけない。強制的に家に帰り、家族を連れて避難をしなければいけない、位の強制力が必要でないか。
さもなければ、まだ天気の良い2日前から百数十万人が避難するわけがない。

籠城案

籠城メインで考えるなら、今後は、一戸建てを認めず、籠城に耐える、ビル・マンションの建築だけ認める。そして、1階、2階には居室を作らない。
窓は、飛んできた看板が当たるくらいでは割れない様に、強化ガラスか、雨戸をつける。
普段は住民が使い、非常時には避難民を収容出来る大きな部屋を作る。
上の方の階に倉庫をつくり、非常用食料の備蓄を義務付ける。
大分建築コストは上がるが、籠城するにはこれ位の対策は必要だろう。

住まない

そもそも、ゼロメートル地帯は、住むに適していない地区だから、住まないのが一番良いが、すでに160万人も住んでいるのだから、そうもいかない。
あとは、情報の周知徹底だろう。今回のNHKスペシャルのような番組をいくつも作り、繰り返し流すことにより、住民に危機感を持ってもらうしかない。

おわりに

いずれにせよ、アタマの痛い問題である。160万人が一気に危険に晒されるなんて、戦争みたいなものだ。
いいかえれば、戦争に匹敵するくらいの真剣な対応、場合によっては強権も必要になるのではないか。


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