永遠の旅人日記

好奇心一杯に生きて来た人生。テーマは、女性用バイアグラから橋下徹まで、かなり広範囲。

吉野と京都の桜は一ヶ月楽しめる

はじめに

昨日の紅葉に続いて、今日は桜について。

前に、吉野と京都に花見に行った時に、おやっ?とおもった。
桜を楽しめる期間が長いのだ。

東京のひとは、桜はほぼ二週間、と思っている。咲きはじめてから満開まで約一週間。満開から散るまで一週間。都合二週間。

しかし、吉野と京都では、どちらもほぼ一ヶ月間、花を楽しめる。理由は、、、それぞれ異なる。

吉野の桜

吉野で花期が長い理由は単純。
吉野山の千本桜は、山裾から頂上に向かい、下千本、中千本、上千本、奥千本に分かれる。
標高差があるから、当然一番標高の低い下千本から咲き始め、中千本、上千本へと移る。
下千本で咲き始めてから、奥千本で散るまで約一ヶ月ある、というわけだ。

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京都の桜

では京都は、何故一ヶ月も桜を楽しめるのだろう? 京都には吉野山ほどの高低差はない。

ここで、ちょっと話しを東京に戻す。ご存知の様に東京の桜は、ほとんどがソメイヨシノ。これは、江戸の末期から明治にかけて、染井村(今の豊島区駒込) の園芸職人達によって交配されて作り出された品種。
吉野の名前が付いているのはマーケティング上の理由で、吉野のヤマザクラと遺伝的な関係はない。あっと言う間に全国に広まったが、接ぎ木や挿し木で増やすので、実質上クローン。全てのソメイヨシノの遺伝子が同一なので、一斉に開き、一斉に散る。だから美しい。だから二週間。

さて、京都にもソメイヨシノが多いことは多い。しかし、京都の場合は千年の歴史を背負っている分、バラエティ豊かな桜がある。

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祇園枝垂れ桜


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仁和寺


円山公園にある、「祇園枝垂れ桜」や、遅咲きの「仁和寺の八重桜」などが有名だが、それだけではない。下記にも述べられているように、京都には、昔から続く特色ある桜が多く、満開になるタイミングが微妙にズレるので丸々一ヶ月楽しめる、というわけ。

MBS 京都見聞録

日本を代表する桜守の桜畑

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余談だが、江戸時代から、この「祇園枝垂桜」「御室仁和寺」を桜守として管理してきた植木職人が佐野藤右衛門。
その会社が「植藤造園」で、嵯峨野に広大な桜畑を持っている。私有地だが、毎年桜の時期になると一般公開される。庭に咲く桜の種類は200種類以上。壮観だ。アクセスは良くない分、桜の隠れ名所となっている。

桜ひとつとってみても、いろいろな事情があるなあ と思った次第。

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