永遠の旅人日記

好奇心一杯に生きて来た人生。テーマは、女性用バイアグラから橋下徹まで、かなり広範囲。

京都の花街を楽しむ

はじめに

一般的に、花街は、興味はあるけど「一見さんお断り」だし「べらぼうに高く」て、とても手が届かない存在、というイメージだろう。
しかし、実は、それほどではない。
私も京都を走り回っている頃、花街を少し探検してみたことがある。

都おどり

手軽に雰囲気を知るには、まず、芸者さん、舞妓さんの踊りを見ることから。

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京都には、祇園東、祇園甲部、宮川町、先斗町上七軒の五花街があり、それぞれ、歌舞練場と呼ばれる、ホールを持っている。
普段は、練習などに使われるが、春の一定期間には、総出で踊る。

祇園歌舞練場で開かれる祇園甲部の「都おどり」が一番有名だが、宮川町の「京おどり」先斗町鴨川をどり」上七軒の「北野おどり」などもある。
いずれも桜のシーズン4月頃、少しずつ期間をずらして開かれる。秋にもあるが、春がメイン。

京都の春夏秋冬を表現した舞台が定番で、外国人が大喜びしそうなカラフルな内容だが、日本人も十分楽しめる。とにかく賑やかで華やか。

上七軒ビアガーデン

夏の7.8月だけ、上七軒の歌舞練場の中にオープンするビアガーデン。
毎晩数名の上七軒の芸妓さん舞妓さんが、各テーブルを回って、短時間だが、お酌をし、話し相手になってくれるのが嬉しい。

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花街の街並み

先斗町は、俗化され過ぎている。祇園は綺麗だが、ひとが多すぎる。上七軒北野天満宮の前だから、ちょっと離れている。私のお勧めは、宮川町。祇園の隣町。石畳のしっとりした感じがイメージにピッタリ。

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宮川町

お茶屋バー

どこの花街にも、お茶屋バーと言われる店が数軒はある。引退した芸妓や、置屋の女将が経営している。
中は、普通のカウンターバー。

花街の中で、関係者の経営だから、その場で手のあいている芸妓や舞妓を呼べる。花街のしきたりなどを聞くと面白い。

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  • 舞妓さんの髪は、地毛だから、寝る時大変。 芸妓さんになるとかつら。
  • 舞妓になりたての時は、稚さを出すために、上唇だけ朱をさす。
  • 舞妓さんの花かんざしは月替りで、月によってテーマが決まっている
  • その晩に、お座敷があってもなくても、6時頃迄に、必ず正装して待っている。

などなど。全く知らない世界だから、ヘェ~ と思うことばかり。好奇心が満たされる

ちなみに、花かんざしのテーマは、
1月は「寒菊に松竹梅」、2月は「梅」、3月が「菜の花」、4月は「桜」、5月は「藤」または「あやめ」、6月は「柳と撫子(なでしこ)」または「紫陽花(あじさい)」、7月は「団扇(うちわ)」、8月は「すすき」または「朝顔」、9月は「ききょう」、10月は「菊」、11月は「紅葉」または「いちょう」12月は「顔見世のまねき」
上の写真の花かんざしは「団扇(うちわ)」だから7月に撮った写真とわかる。

本格的に楽しむなら

是非祇園で宴会を企画してみたい。10人位なら、思ったほど高いものではない。

一見さんお断り
一見さんお断り、がネックと思うかもしれないが、これは建前。お茶屋としては、お客が多い方が良いに決まっている。しかし、

  • 自分達の遊び場を訳の分からない他所者に荒らされたくない、という旦那衆の思惑
  • 置屋としても、芸妓や舞妓の花代は、置屋を出てから帰る迄だから、その場では計算出来ないし、元々が全て つけ の世界なので、信用出来ない相手では困る

という、二つの理由から「一見さんお断り」という建前になっている。
従って、先の、お茶屋バーなどに何回か通って信用を獲得すれば、次のような宴会を開くことも可能だ。

祇園で宴会を開く

まず、場所を決める。お酒だけならお茶屋さんで開くことも出来るが、ある程度の人数で食事込みなら祇園界隈の料理屋で開くのが普通。(お茶屋には板前がいないので、仕出しになる) 場所代込みの料理代は、一人2万円位から。

芸妓・舞妓の花代は、一時間2万5千円くらい。標準的な宴会は、芸妓・舞妓・地方(じかた 三味の姐さん)の3人を3時間ほど拘束するので、2.5×3×3=22.5 約25万円。10人で割れば、一人2万5千円。
女性のいるクラブで飲むことを考えたら、安くないですか。
料理代と合わせて5万円しない。

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女性が3人いるので、10人というのは、丁度良い人数。上手に席を代わりながら、目の前三人程にお酌してくれる。

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これで、

  • 芸妓さん舞妓さんにお酌をしてもらいながら
  • ちゃんとした料理で
  • 芸妓・舞妓の京踊りが見れて
  • トラトラトラや、金毘羅船船などのお座敷遊びが出来たら、

決して高くはないと思うのですよね。

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お座敷遊びの定番。トラトラトラ。
「トラ」と「槍」と「お婆さん」による、一種のじゃんけん。
地方の三味線とかけ声に合わせて屏風の陰から出てくる。
負けるとお酒の一気飲み。そこで再度、地方さんの唄とかけ声がかかる。さすがに手慣れたもの。
この場合は2人とも「杖をついたお婆さん」なので、あいこ。


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舞妓さんの京踊り

私が経験したのは、ここまでだから、この先はわからない。
でも、京都の花街の、芸妓・舞妓の数は、どんどん減っている。京都の旦那衆だけではサポートしきれないのだろう。もう少し上手く、東京の客を取り込めたら良いのにと思う。しかし、建前とはいえ、「一見さんお断り」だから荒れないで済んでいる、という一面も見逃せない。難しい所だ。


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