永遠の旅人日記

好奇心一杯に生きて来た人生。テーマは、女性用バイアグラから橋下徹まで、かなり広範囲。

介護関連の保険制度について(1)

はじめに

介護関係の制度がややこしい。

皆さんも、介護保険とか、障害者手帳、という言葉はご存知だろうが、「具体的にどのような仕組みになっているか」まではご存知ない方が多いと思う。
私も、ついこの間まではそうだった。

しかし、高齢化が進んだ現在、いつ、身近な人に、介護保険や身障者手帳が必要になるかわからない。
最近、私が学んだことを、出来るだけわかりやすく、要点だけをまとめてみた。


関連する概念として、
医療保険 、介護保険 、身体障害者手帳の三つがあるが、今回は主に、介護保険と身体障害者手帳について述べる。医療保険については、次回述べたい。

介護保険

趣旨
急速な高齢化で、高齢者の介護を「家族だけでまかなうことが困難」になり、その負担を社会全体 (といっても実際は、40歳以上) で支え合うため、2000年にスタート。


介護保険加入者
40歳以上になると、全員が自動的に強制加入させられ、保険料を支払うことになるが、使えるのは、原則65歳以上。


保険の利用者
65歳以上(第1号被保険者)であれば、介護が必要になれば、誰でも利用できるが、40歳以上65歳未満 (第2号被保険者)は、ALSなど15種の特定疾病の場合のみ、利用できる。

要介護度の説明(知って安心!介護)


尚、40歳以上65歳未満の人で、特定疾病以外の病気やケガ(例えば、交通事故等)で、要介護状態になった人は、介護保険ではなく、『障害者自立支援法」の対象になる。


介護度
要支援 1-2、介護度 1~5 の7段階。
介護度5 が一番重い。
それぞれの目安は、下記参照

要支援・要介護度の目安


介護度の認定
介護度の認定をするのは、東京の場合、区の「認定委員会」
認定時の資料は、

  • 担当医の診断書と、
  • 区役所の担当職員の、家庭訪問インタビュー(約30分) 結果。

介護度認定の厳しさは、その地方自治体(東京では区) の財政状況を反映し、東京では港区が一番緩いらしい。


介護保険の財源
公費と保険者負担が半々
内訳は、
(公費 50%)
  国 25%
  都道府県 12.5%
  市区町村 12.5%
(保険者負担 50%)
  1号(65歳以上) 公的年金から自動差し引き 18%
  2号(65歳未満) 医療保険から 自動差し引き 32%

保険額上限
介護度により、月間に使える介護保険額が異なる。
一番軽い「要支援1」で月間5万円
一番重い「要介護5」で月間36万円程度。

サービスにかかる利用料 | 介護保険の解説 | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」

これらの金額は、年金の様に「使っても使わなくても支給」されるわけではなく「いくらまで介護保険を適用できるか、の上限額」であることに注意。
ちなみに、自己負担は原則1割 (一定以上の所得のある人は2割)

介護保険の適用範囲
介護保険で、カバーできるものは、

  • 介護ヘルパー代 (細かく規定されているが、一日最大2ー3時間程度。それ以上は自費)
  • ディサービス代
  • レンタル代 ( 介護ベッドや、車椅子など)

など


介護ヘルパー費用の保険適用
これがまた複雑怪奇。
自費の場合は、比較的分かり易いが、保険の場合の自己負担額の計算は理解不能。あまりに複雑なので、業者も手計算できず、国から配布されたソフトがないと金額を算定出来ない。

介護のきほん - どんな介護サービスがあって費用はいくらかかるのですか? | 新潟県介護ご用聞きネット~新潟県新潟市、長岡市、上越市などの有料老人ホームや介護施設、求人情報など介護に関する総合情報~


生活支援と、身体介護の区別
一般的に言う、主婦の仕事を代わりに、台所仕事、掃除、洗濯などをやってくれるのが、生活支援。時間単価は、2ー3千円。

介護対象者の排泄(オムツの取り替え}やお風呂に入れて洗う、見守りなどは、身体介護となり、時間単価は4ー5千円程度と高くなる。


夜間割り増し
上記時間単価に対し、

  • 夜8時以降は、 25%増し
  • 夜10時以降は、50%増し

タクシーより、かなり割り増し率が高い。


ケアマネージャ
介護保険は、ケアマネが管理。
ケアマネは、介護度が決まり、その患者に使える保険額が確定したあと、患者と相談しながら、その額を何にどう使ったら良いか、というケアプランを作成し、それを実行する。
そのために、あちこちのヘルパー派遣会社と連絡を取って、ヘルパーを確保したり、介護用品のレンタルをアレンジする。
ケアマネは、かなり個人による能力差、親切度の差が大きいので注意。変更することも可能。


保険適用の範囲
これも、細かく決められている。
食事時間として1時間。寝る前の準備に1時間とか。
週に何回頼めるかは、介護度による。


身体障害者手帳

趣旨
身体障害者が健常者と同等の生活を送るために最低限必要な援助を受けるための証明書。

都道府県知事、政令指定都市・中核市が発行する。


保有するメリット
手順を提示することにより、JR、高速料金の割引、タクシー券の交付他、各種の割引が得られる。

介護保険が、主に自宅での介護に必要なコストを補助するのに対し、身体障害者手帳は、外出先で各種の割引が得られる、イメージが強く、確かにそうだが、さらに

  • 福祉機器(車椅子、義肢、装具、盲人安全つえその他多数)の交付
  • 健康保険の自己負担分の助成(条件は自治体により異なる。)
  • 各種税金の軽減措置

などもある


障害の種類
  視覚障害、
  聴覚障害、
  音声・言語機能障害、
  そしゃく機能障害、
  肢体不自由、
 内部障害である
  心臓機能障害、
  呼吸器機能障害、
  じん臓機能障害、
  ぼうこう又は直腸機能障害、
  小腸機能障害、
  免疫機能障害、
  肝臓機能障害、
計12種類。


等級
1-6 級 1級が一番重度。
上記、12種の障害のうち、複数の障害がある場合には、それが考慮される。

上記要介護度は、数字が増えるほど重度。5 が最高で一番重いのに対し、身体障害者は逆に、数の少ない
1級が一番重いので注意。


取得するには
自分で申請すること、が必要
黙っていては貰えない。


申請の手順
役所福祉課で、「指定医師診断書」用紙をもらい、医療機関で、「指定医師診断書」を作成した上で、「手帳交付申請書」を提出、審査。


身体障害者手帳の問題点
身体障害者手帳には、更新義務がなく、等級変更する場合であっても本人申請が前提であるため、手帳が更新されないままに長年使用され続けることも多い。
そのため、手帳の顔写真と、現在の容貌とが著しく異なっているために本人確認ができず、サービスが受けられないトラブルになることもある。