永遠の旅人日記

好奇心一杯に生きて来た人生。テーマは、女性用バイアグラから橋下徹まで、かなり広範囲。

売春 OK ?

アムネスティの決議

世界的人権団体として著名なアムネスティ・インターナショナルが、数日前に、
「成人同士の合意のもとに行なわれる売買春は合法化されるべきである。」
さらに
「売買春だけでなく売春斡旋業や売春宿の経営も合法化するべきだ」
という決議をした、と知って「おやっ」と思った。

日本では、福島みずほさんを先頭に女性議員が「女性の人権を守るために、売春反対!」と叫んでいるイメージがあったので、何故あのアムネスティが?と違和感を感じたのだ。

私は元々、セックスは誰もがやっていることで、麻薬のように体に悪いわけでもないので、両者合意の元なら多少の金銭の授受があってもよいのではないか、と考えていた。

日本の売春防止法

しかし、日本には、一応 「売春防止法」がある。
それなのに、ソープランドが摘発されないのは、パチンコのように警察と業者が癒着しているからだ、と思っていた。

しかし、日本の売春防止法を読んでみて二度ビックリ。
同法の冒頭には

(目的)
第一条  この法律は、売春が人としての尊厳を害し、性道徳に反し、社会の善良の風俗をみだすものであることにかんがみ、売春を助長する行為等を処罰するとともに、性行又は環境に照して売春を行うおそれのある女子に対する補導処分及び保護更生の措置を講ずることによつて、売春の防止を図ることを目的とする。

(定義)
第二条  この法律で「売春」とは、対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交することをいう。

(売春の禁止)
第三条  何人も、売春をし、又はその相手方となつてはならない。

と高らかにうたっているが、罰則が「公然と勧誘」「斡旋」「パワハラによる強要」などに限られるのだ。
従って、おとなしく売春したり、その相手になることは、法律違反ではあるが罰則はない、という奇妙な位置づけだ。

売春防止法の時代背景

同法が制定された昭和31年という時代背景には、
米国を中心としたキリスト教文化圏に属するGHQの圧力があった上に、

造船疑獄の捜査に失敗したことで汚名を被った東京地検特捜部が、花柳界の業界団体である全国性病予防自治会を糺弾することで、失われた威信を回復しようと計画していた。(wikiより)
など、いろいろな要因が絡んでいるらしい。

今回のアムネスティの決議

今回の決議は、売春宿も合法化すべき、とまで踏み込んでいる。
その方が性産業の女性の人権が守られるからだ、という。
要するに、売春行為が女性の人権を侵すのではなく、性産業における暴力団や組織による不当な搾取や暴力が女性の人権を侵すので、アムステルダムや、ドイツの飾り窓の女のような公設の場所を作って公明正大に売春を行うべし、ということだ

そこまでセックスワーカーへの虐待が酷いのか、とビックリした面もあるが、アムネスティの決議は、まことに実務的、大人の決議だと思う。
それに引き替え、日本の売春防止法は「売春が人としての尊厳を害し、性道徳に反し、社会の善良の風俗をみだすものである」という社会認識自体が全く時代にあっていない上、実質価値はないので、すっぱり無くすべきではないか。

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今回参考にしたサイトです

世界的人権団体アムネスティ・インターナショナルが売春に賛成 - IRORIO(イロリオ)

売春防止法 - Wikipedia

違法だけれど罰則なし 「売春防止法」が売春した人を処罰しないワケ|弁護士ドットコムニュース

売春防止法