気が利く ということ
「気が利く」 とは
辞典などを引くと、「細かい所まで良く気がつく」などと書いてあることが多いが、ちょっと違う、と思う。
相手のニーズとの関係で考えるとわかりやすい。
レベル1.
相手が要求したことをやる レベル
これは易しい。ニーズが明確だからだ
その気になれば誰でも出来る
レベル2.
次のレベルは、相手が「思ってはいるが口に出していないこと」を察知してそれを満たすこと。
これには、相手の立場で考えることと、観察力が要求される
これの出来るひとが、「気の利く人」だ。
相手の立場で考える、観察力 と簡単に書いたが、実行するのはそう簡単ではない
レベル3.
その上のレベルは、相手が自分ですら気付いていない、潜在ニーズを探り当てて、その解決策を提供すること。
これは、難しい。
相手の立場で考えることと、観察力に加えて、想像力も要求されるからだ。
これの出来る人は、「気が利く」を通り越して「スーパー出来る人」だろう。
前に書いたが、秀吉が「猿」と呼ばれ、まだ信長の草履取りだった時、真冬に懐で暖めた草履を差し出した話しなどは、まさにこの例だ。暖い草履は、信長本人ですら気付いていなかった潜在ニーズと言える。
もう一つ、今度は秀吉が偉くなってからの話。
秀吉が鷹狩りに出た際、喉が渇いたので近くの寺に寄り茶を所望した、という。
寺の小僧が一杯目は大きな茶碗にぬるめに、二杯目は少し熱めで茶碗に半分ほど。興味を持った秀吉が3杯目を所望すると、小僧は小さな茶碗に熱い茶を入れ差し出した、という。のちの 石田三成である。
秀吉も自分ののどの渇き具合にあわせて、温度と量を変えて茶を出されるというところまでは考えていなかったであろう。
マーケティングとの関係
上記は、個人レベルの話しとして書いたが、「相手」を「顧客」と読み替え、企業として考えると、上記のレベル3は、マーケティングそのものになる。
マーケティングとは、
手垢のついていない顧客ニーズをいち早く探り当て、そのニーズを満たす商品・サービスを提供すること、 だからである。