永遠の旅人日記

好奇心一杯に生きて来た人生。テーマは、女性用バイアグラから橋下徹まで、かなり広範囲。

マイナンバー制度

はじめに

マイナンバーをめぐる議論が、かまびすしい。
これまで、興味はなかったが、家人に「個人番号カードを申し込むべきか、分からない」と聞かれたので、にわか勉強してみた。

通知カード

今年10月に国民一人一人に、12桁の番号がわりふられ、「通知カード」が送られてくる。
要するに国民総背番号制。アメリカのソーシャルセキュリティ番号。
「通知カード」は、紙製で、住所、氏名、生年月日、性別が、記載されているが写真はないので、本人確認書類としては使えない。
番号が決まった、という通知に過ぎないが、このカードは今後いろいろな場面で必要になるので、大切に保管しておく必要がある。

個人番号カード

こちらはオプションなので、申請してもしなくても良い。
「通知カード」が到着したあと、市区町村に申請すると、写真とICチップが搭載された、クレジットカードのようなものが、先の「通知カード」と交換に交付されるが、定められた交付所に、本人確認書類を持っていかなければならない。
政府に言わせれば、これを持てば、いろいろ便利とのこと。

  • 写真が付いているので、本人確認書類として使える
  • コンビニで、住民票、印鑑登録証などが取れる
  • 自治体図書館の入館証になる。
  • e-tax に使える

など
ここまでは、確かにあれば便利だが、無くてもやってはいける範囲だ。問題は、軽減税率との関係だ。

軽減税率 との関係

約1年半後の2017年4月に、現在8%の消費税が10%に引き上げられる予定だ。
その際、低所得者対策として、飲食料代だけは年間20万円までは8%に据え置くことになっている。(即ち、1人あたり最大 20万円×2%=4000円の減税)

ここで考えて見て欲しい。スーパーに買い物に行った時、一般商品は10%、食品だけ税率を8%にすることはさほど難しくないだろう。レジでスキャンしたら商品区分はわかるから、あとはレジが自動で消費税額を計算してくれる。
しかし、問題は、その人がこれまでに、既に上限の20万円を超える食品を購入しているかどうかを、どうやって把握するのだ?
それがわからなければ、食品の税率を8%に割り引いて良いかどうか、をスーパー側も判断できない。なにしろ1人年間20万円までの減税措置だから。

問題の財務省案

で、今問題になっている財務省案は、「個人番号カード (あとから申請するプラスチックカードの方) 」には、ICチップもついているので、これをポイントカードとして使おうということだ。
買い物時には食品にも一旦10%の消費税を支払ってもらう。同時に個人番号カードをスキャンして食品をいくら購入したかをポイントにして貯めておき、後ほど4000円を上限に還付するという方式だ
還付してもらうためには、原則、スマホや、パソコンから所定のサイトにアクセスしなければならない。

この方法は、

  • 国民全員が個人番号カードを携帯し、
  • 全国の食品、飲食関連の全店舗、全レジスターに、個人番号カード読み取り装置がついており、レジスターと連動していること

が前提となり、財務省は楽だが
国民と小売店に全ての負担を押し付ける方式だ。

素朴な疑問

一人20万円までということは、お母さんは、家族全員分の個人番号カードを持っていて、自分の分が上限に達したら、次はお父さんのカード、子供のカードにポイントを貯めて行くのだろうか?

人に買い物を頼む時はどうする?

スマホを使えない高齢者などは、還付を郵送でも受け付ける、というが、書類にマイナンバーとパスワードを書いて郵送するのだろうか? 危険ではないか?

個人番号カードを読み取る装置は、全ての飲食料店の全てのレジに付ける必要がある。 財務省は、どのような補助を考えているのだろうか?

面倒だといって個人番号カードを使わなかった軽減分は全て財務省のふところに入る仕組み。勘ぐれは、そのために、わざわざ複雑にしているのでは?

そもそも、一律8%とか、9%にすれば良いのに、公明党が点数稼ぎにゴネて、年間20万円までなどというバカな制限を付けたため、システムがやたら複雑になった。公明党に責任を取って欲しい。

さらに、個人番号カード発行の実務を行う総務省から茶々が入った。どんなに頑張っても年間に4000万枚しか発行出来ない、というのだ。全国民に行き渡るまでに三年かかる、という。

強欲な 財務省

そもそも、飲食料費は年間90兆円以上ある、その2%分を全額減税すれば、1兆8000億円の減税となる。
それを1人最大4000円(小売額で20万円)、と上限枠を定めることにより、財務省は、減税を 4000円×1億3000万人=5200 億円と、3分の1以下まで値切ることに成功した。

そこまで値切ったのだから、あとは、バッサリ1人あたり4000円の還付をすれば良いではないか。それなら既存の仕組みで処理できる。手間はかからない。

それを、皆に個人番号カードを持たせ、小売店に、カードリーダーを設置を強要し、ひとりひとり精密に年間の食品購買行動を記録して、「はいあなたは、3578円の還付ですよ」と計算して、さらに減税額を値切る仕組みだ。バカじゃないか?

このように、国民と小売店に全ての負担を押し付け、国民が面倒ぐさがってやらない分は自分のポケットに入れることに何の罪悪感も感じない財務省は、流石に、役所中の役所というだけのことはある。

おわりに

この軽減の実施策については、流石に自民党や公明党の中でも「消費者の負担が大きすぎる」ということで、反対論が続出しているようなので、このまま実施されるとは限らない。

何れにせよ、「財務省の面目躍如!の案」であることに、間違いない。

余りに馬鹿げた財務省案につい興奮して、すっかり、このブログを書くきっかけになった。もともとの問いを忘れていた。
個人番号カードを申請すべきか、という問いだった。

「個人番号カード」は軽減税率とリンクされたら申請せざるを得ないだろう。(3人家族で年間1万2000円の減税は無視できない)
今後情勢が変わって、軽減税率とリンクされなくなった場合は、どっちでも良いと思う。自分にとって便利だと思えば申請すれば良い。例えば運転免許書を持っていなくて積極的に身分証明書として使いたければ申請すれば良い、という事だ。

マイナンバーカードの危険性については下記記事を参照されたい。

eternal-traveler.hatenablog.com