永遠の旅人日記

好奇心一杯に生きて来た人生。テーマは、女性用バイアグラから橋下徹まで、かなり広範囲。

秋は京都

ありとあらゆる雑誌が、毎年この季節になると「秋の京都」と書きたてる。
勿論、京都の紅葉は美しいが、京都には桜の名所も多いはず。なのに、春よりも秋に京都の存在感が大きい。何故ことさら秋なのか?
ちょっと考えてみた。

桜の名所は全国各地にある

桜は日本全国どこにでもある。しかも、その大部分はソメイヨシノだから、どこで花見をしても大きな違いは無い。だから、わざわざ京都まで行く必然性はさほど高くはない。

紅葉の名所も数多い

紅葉の名所も日本全国にあるが、桜との大きな違いが一つある。
紅葉な場合、ほとんどの名所が山の中であって、市街地で紅葉の名所というのは、京都以外に思いつかない。
例えば、東京都内に桜の名所は多いが、紅葉の名所というのは聞いたことがない。
市街地で手軽に紅葉が見られる、という意味で、京都は圧倒的に優位である。


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何故京都だけなのか?

では、なぜ京都だけ、都会なのに紅葉があるのか?

  • 盆地であるため昼と夜の気温差が大きい
  • 鴨川が流れていて適度な湿気がある

と説明されることが多いが、盆地と川だけなら、他にもあるはず。

寺社の存在

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私は、寺社の存在が大きいと思う。
2014京都紅葉スポット、人気ベスト10を見ると、下記のようになっている。
1.清水寺
2.東福寺
3.嵐山
4.永観堂
5.南禅寺
6.高台寺
7.金閣寺
8.三千院
9.貴船神社
10.神護寺

嵐山を除けば、7位まで全て市街地の寺院だから、紅葉は庭師が人工的に植えたものだ。しかも、単に植えるだけでなく、常に苔の緑と深紅の紅葉というコントラスト、及び背景の建物を考えて作庭されている。それが、日本人の美意識に訴えて美しく見える。

昔、苔庭を作ろうとしたことがあるので分かるが、綺麗な苔庭を作ろうとしたら、手間がかかる。それを何十年、何百年継続しないと、本物の庭園にはならない。それは、寺社の財力と、継続性があって始めて出来ることだろう。

こうした庭は一朝一夕には作れないから、秋の紅葉は京都の独り勝ち状態が続くのだろう。

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