カクテルに はまった頃に学んだこと
始めに
私は、日本酒やワインなどの「醸造酒系」が好きで、普段ウィスキーやブランデーなどを飲むことはない。
しかし、カクテルだけは別だ。独特の魅力がある。
色やグラスも綺麗だが、基本的なレシピは同じはずなのに、バーテンダーの腕により味が全く異なってくるのが不思議で楽しい。
ワインの次にはまったのが、カクテルなので、カクテルを飲み始めた頃に知ったことをまとめてみた。
(このブログの読者に、超一流のバーテンダー氏もいるので、書くのに緊張する。)
基本
ベースの酒
カクテルには、ベースとなる酒がある。ジン、ウォッカ、ウィスキー、ブランデー、ラム、テキーラ、シャンパンなどだ。まずは、自分が好きなベース、余り好まないベースを探す。
ウォッカは、無味なので余り好き嫌いはないが、ジンは、独特の香りがあるので、好き嫌いが分かれる。
好きなひとは、
「ビーフィーター」「ゴードンズ」「ボンベイ・サファイア」「タンカレー」などから、自分の好みのブランドのジンを指定する場合もある。
シェークとステア
カクテルというと、シェークのイメージが強いが、グラスに数種の酒を入れてステア(くるくるかき混ぜる) するものも多い。
カクテルの王様の「マティーニ」も女王の「マンハッタン」もステアして作る。
私は全くの素人だから、大胆に推察すると、一流のバーテンダーは、シェークでは、空気とお酒の混ざり具合をコントロールしているのではないかと思う。丁度、寿司職人が握りの強さで、寿司飯に含まれる空気の量を調整して、ほわっとした感じを出しているように。
ステアする時も、氷の温度、ステアのスピードと回数などに、かなり気を使っているようだ。
日々のこうした研究があるので、「同じレシピでも、バーテンダーの腕により味が全く異なってくるんだろうな」と思う。
ショートとロング
シェークとステアは、作り方の違いだが、ショートとロングは出される形状の違い。
一般的に、カクテルグラスのように、足のついたグラスでだされたカクテルは、ショート。アルコール度数が高く量が少ないことが多い。氷が入っていないので、どんどんあたたまる。ショートは余り時間をかけず、10ー20分程度で飲み切る。
一方、細長いタンブラーやロック グラスで出されるのが、ロング。30-40分かけて楽しむ。氷が入っている場合は、時間を置き過ぎるととうぜん水っぽくなる。
ベースの酒 + 甘味 + 酸味 が基本
全部が全部そうではないが、カクテルの基本は、ベースの酒に、甘味と酸味を加える。
そうした意味で、私が一番完成されたカクテルと思うのは、「サイドカー」。ブランデーをベースに、甘味として、ホワイトキュラソー 、 酸味としてレモンジュース を加えてシェークする。
ベース、甘味、酸味の種類を変えて組み合わせれば、無数のカクテルが出来る。
楽しみかた
以上は、カクテルの基本のキだが、カクテルには、いろんな楽しみかたがあると思う。
バラエティを楽しむ
カクテルは、成分の一部が変わるだけで、色も味も全く別のカクテルに変貌する。その変化が楽しい。
ブランデー+アマレット(杏から作るリキュール)で作る「フレンチコネクション」は、私の好みだが、
ベースをウィスキーに変えれば、「ゴッドファーザー」
ウォッカにすれば「ゴッドマザー」になる。
これらは、ステアして作りロングタイプ。
フレンチコネクション
先程の「サイドカー」(ブランデー色)も、
ベースをジンにかえれば、真っ白の「ホワイトレディ」になるし、
ベースをテキーラに替え、グラスの淵に塩を飾れば、「マルガリータ」だ。
ちなみにこの三つは、いずれもシェークして作るショートカクテル。
新鮮なフルーツを楽しむ
一流のBARには、季節の生鮮なフルーツが、カウンター上の篭などに入って数種置いてある。果物ジュースではなく、本物のフレッシュフルーツを使って作ってもらうカクテルは格別だ。桃の季節の「ベリーニ」などは、その一つ。
デザートカクテルを楽しむ
デザート代りに飲む、あま~いカクテルも楽しい。
生クリームとクレーム・ド・カカオが入ってチョコレート色の「アレキサンダー」と、同じく生クリームに、カカオリキュールと、グリーンペパーミントが入って緑色の「グラスホッパー」がその代表か。
変わりもの のカクテルを楽しむ
これまで例示してきたカクテルは、いずれも、スタンダードカクテルと呼ばれる代表的なもの。
次にちょっと変わったカクテルを挙げよう。
ブラックベルベット
細長いコブレットに、スタウト・ビール(黒ビール) とシャンパン(スパークリング・ワイン) を両手で同時に注ぐ。黒ビールとシャンパンの泡が同時に、なんて考えただけで楽しくないですか?
ニコラシカ
これは、究極の変わりもの。
ブランデーの入った小さなグラスの上にレモンスライスを一枚置き、その上に、砂糖を山に盛る。
ここで問題です!
「ニコラシカ」が目の前に出されたら、皆さんは、どう飲みますか?
目を白黒させて固まってしまうかもしれませんが、飲み方を考えて見て下さい。
(答えは、このブログの最後)
Bar 石の華
私が良く行く店を一軒だけご紹介。
渋谷の東急とは反対側、渋谷警察の近くの地下にひっそりあるが、いつもお客様が一杯。
バーテンダーをルックスで評価しても仕方ないが、オーナーの石垣さんは、俳優の「唐沢寿明」そっくりの独身のイイ男。
腕も勿論、内外のカクテルコンテストでチャンピオンになった一流のバーテンダーだが、銀座の有名店よりずっと入りやすい。素晴らしいスピードで流れるようにカクテルを作りながらも、手を休めることなく愛想良く話し相手にもなってくれるところも凄い。
「同じカクテルの味がバーテンダーの腕によってこうも違うか!」ということを思い知る店。
漫画の「バーテンダー」
天才バーテンダーが主役の漫画。
私は全21巻読みました。
その時々のお客様の抱えている問題に、「バーテンダーがどのように考え、どんなカクテルを提供したか」が書かれていますが、「なるほどね」と頷くことのことの多い漫画でした。お奨めです。バーテンダーにも相当取材している様です。
バーテンダー 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 城アラキ,長友健篩
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ニコラシカの正しい飲み方
これは、数多いカクテルの中でも、唯一、バーテンダーは材料を提供するだけで、客が自ら口の中でカクテルするもの。
1, レモンの両端を持って、軽く二つ折りして、砂糖を挟み込む。
2. 丸ごと口に放り込んでしっかり噛む。
3. 酸味と甘みが口の中一杯に広がったら…
4. ブランデーを一気に流し込む(ここ大事!)
「ブランデーの一気飲みがお約束」なので、酔っばらう前に頼む。
ブランデー+砂糖の甘味+レモン
ということは、口の中で「サイドカー」をカクテルしているようなもん。
白状すると、実は、私も昔、聞きかじってニコラシカを頼んだのは良いけれど、飲み方を忘れて、出されたニコラシカを前に固まってしまったことがあるんです。
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