読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

永遠の旅人日記

好奇心一杯に生きて来た人生。テーマは、女性用バイアグラから橋下徹まで、かなり広範囲。

京都のちょっと怖~いお話

風葬・鳥葬

京都には鳥辺野(とりべの)・蓮台野(れんだいの)・紫野 (むらさきの) ・化野(あだしの)など、最後に野の着いた地名が幾つかある。これらには、かつて葬送の地であった歴史がある。

平安時代あるいはそれ以前、京都では、人が死ぬとよほど身分の高い人を除き、決まった場所に放置し、カラスとか鳥類・虫が屍肉を食い尽くされるままにした。 これが、風葬・鳥葬。(後世には棺に入れる土葬になる)
その代表的な場所が、上記の「野」が付いた地点。

蓮台野と千本通り

蓮台野は、大徳寺の西側、船岡山西麓(千本釈迦堂の付近)

 千本通りはその蓮台野へ死者を運ぶ道であった為、通りに沿って無数の卒塔婆(そとば)が立ち並んでいた事から千本通りと名付けられた。
また、千本通を北へ上がると、船岡山公園の手前に「閻魔前町(えんままえちょう)」という地名がある。これはあの世(蓮台野)の入口、閻魔様の住む場所としてつけられた地名だという。

化野の念仏寺

伝承によれば弘仁2年(811年)、空海が野ざらしになっていた遺骸を埋葬したのに始まるとされ、後に法然が念仏道場を開き、念仏寺となった。
境内の約8000体という夥しい数の石仏・石塔は、明治時代に、化野に散在していた多くの無縁仏を掘り出して集めたもの。毎年8月23日・24日の「千灯供養」は、「西院の河原」にまつられている数千体の無縁仏にろうそくを灯して供養が行われる。

f:id:eternal-traveler:20151016173140j:plain

鳥辺野

鳥辺野は今の清水寺付近。清水の舞台の下あたりらしい。
延鎮上人がそれらの魂を供養しようと、宝亀9年(778)に“音羽の滝”近くに庵を結んだのが清水寺の始まり、と言われている。

六道の辻

f:id:eternal-traveler:20151017180953j:plain


その清水寺と、祇園の建仁寺の間に、六道珍皇寺、という寺があり、その真ん前が、六道の辻。六道(ろくどう、りくどう)とは、仏教における、天道、人間道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道、という6種類の心の状態のこと。
昔は亡くなったひとの棺をこのあたりで僧侶が野辺送りをした、という。
上の地図で右下の旗が立っているところが六道珍皇寺。左上の隅が蓮台野。

f:id:eternal-traveler:20151016173253j:plain


従って、六道の辻は、現世と、地獄の境目。
六道珍皇寺は、祇園からそう遠くない。平安時代は、鴨川が三途の川でその東側は、もうあの世だった。もっとも、平安京の人口は、10万人と推定されているから、今の15分の1程度。そう考えても不思議はない。
そして、少し東に歩いた清水寺のあたり、鳥辺野は、野原に白骨死体が散乱、、、怖~ い

スーパー官僚 小野篁

平安時代、三筆で有名な、小野道風の親戚に、小野篁(たかむら)という、スーパー官僚が居たという。
彼は、昼間は朝廷に出仕し、夜は閻魔王宮に出仕して居たそうだ。その時、篁が、地獄との往来に使ったという、「冥土通いの井戸」が、今も六道珍皇寺境内に残されている。
この辺りが、現世と地獄の境目なら「連絡通路」があってもおかしくない。

f:id:eternal-traveler:20151016173330j:plain

幽霊子育て飴

その「六道の辻」近くに、幽霊子育て飴を売っている店が何軒かある。何故「幽霊子育て」なのかとおもってみたら、逸話があった。

むかし六道の辻にある飴屋さんに、夜な夜な飴を買いにくる、顔色の悪い女がいた。不審に思った飴屋さんが跡をつけると、女は鳥辺野の墓地のあたりでスッと消えた。翌日、捜しみると、そこは出産直前で亡くなった女性の墓で、赤ちゃん鳴き声が聞こえ、飴がでてきたという。墓の中で産んだ赤ちゃんを育てるために、幽霊となって飴を買いにきていたらしい……。
その後、その赤ちゃんは高僧に育ったという。

f:id:eternal-traveler:20151016173357j:plain

f:id:eternal-traveler:20151016173405j:plain

ちなみにこの話をもとに「ゲゲゲの鬼太郎」の誕生秘話が生まれたのだそうだ。

六道詣り

毎年8月7日~10日には「六道詣り」がある。お盆に先祖の霊が冥土から戻ってくる際に、六つの道に迷うことなくお迎えできるようにはじめられた行事。
霊を現世に呼び戻すために、六道珍皇寺で迎え鐘が打ち鳴らされる。

送り鐘の 矢田寺

六道珍皇寺の迎え鐘に対して送り鐘は、矢田寺が有名。矢田寺は、六道珍皇寺とは離れた、寺町通りの中に、あたかも一つの商店のように町に溶け込んだ形でこじんまりと存在する。

f:id:eternal-traveler:20151016173430j:plain


8月16日に死者の霊を冥土に送り返すために鐘がつかれ、多くの参拝者を集める。
お地蔵さんの姿をした ぬいぐるみのお守りがかわいい。

f:id:eternal-traveler:20151016173457j:plain



こうした話しを見聞きすると、平安時代には、地獄というもの、あるいは、死者との交流が、いまよりずっと身近な存在としてあったのだと、思う