新国立競技場 ザハ・ハディト氏の言い分
7月28日 ザハ・ハディト氏が声明を出したが、日本の報道機関ではほとんど無視されているので、ここにまとめておきたい。
要は、
JSCが、例の「7月7日の有識者会議」にJSCがザハ氏に事前の相談全くなしに、工事費高騰の主な原因は ザハ氏のキール型アーチデザインのせい、とした文章を提出しているが、その主張は間違っている。
「アーチは普通の橋梁と同様の物であり、230億円程度で出来るもの」であり、
建築費高騰の原因は下記にある という主張である
ゼネコンの早期指名
見積りが出る前からゼネコンを指名したことにより「適正な競争による見積もり」が行われなかった。実はザハ氏は以前にこのような経験があり、JSCにそうしないようアドバイスしたが、JSCはそれを無視し、見積り前からゼネコンを指名した結果、適正な競争が行われなかった。
協同作業の欠落
効率的かつ安価な建築のためには、設計者・ゼネコン・クライアントの共同作業が必要だと訴えたが、JSCがそれを許さなかった。
コストダウン提案の無視
ザハ氏側は、何回もコストダウンの提案をしたが、JSCから「必要ない」と断られた。
建設コストの高騰
円安による輸入資材のコストアップと、オリンピック特需によるコストアップ
3年前の80円から最近の120円と考えるだけで、輸入資材は5割アップ
ザハ氏によれば、東京の建設コストはこの2年間で既に25%アップしており、今後も同じペースのコストアップが見込まれている由
最後に、ザハ氏は、「日本と世界の建築界のために、この2年間の作業の成果を公表するつもり」だと述べている。
日本の業者のように「役所ににらまれたくないから泣き寝入り」せず、きちんと論理的に反論してくるザハ氏に期待大です。
ここまで読まれた方は、下記の記事を読むと「現場の感覚」がわかっておもしろいと思う。