フォルクスワーゲン、会社整理か?
フォルクスワーゲンの不正
トヨタ、GMと世界のトップを競っていた、フォルクスワーゲンが、前代未聞の不正を犯した。
検査の時だけ、違法なソフトウエアを使ってジーゼル車の排ガスに関する試験をクリアしていたという。
実際の走行中には、検査時の40倍の数値を示したのだそうな。
完全な確信犯である。
15ヶ月間のVWとEPAの闘い
昨夏に始まったカリフォルニア州当局者らとVWとの話し合いで、当初VWのエンジニア等は、走行中の調査データと調査手法に異議を唱え、調査結果を認めない態度だった。
さらに、VWは昨年12月2日に独自の調査結果を持ち出し、基準を超えていたのは「さまざまな技術的問題と予期せぬ走行中のコンディション」のせいだと主張した、という。
しかし、EPAの執拗な研究分析により、今年9月になって、VWは試験走行時に排ガス規制に適合するようにモードを切り替えるソフトウエアが、世界中で販売された自社製ディーゼル車の約1100万台に搭載されていたことを認めるに至った。
見抜いたのは、日本製の測定器
今回の不正を見抜いたのは、米国の研究者だが、その時使用したのは堀場製作所が世界で初めて開発したポータブル測定器。堀場は自動車排ガス測定器の分野で現在は7割以上の世界シェアを誇る。
検査の際に使われる据え置き型では、ソフトウェアレベルで操作されると見抜けないらしい。不正をしたフォルクスワーゲンのエンジニアも、油断していたところを、最新鋭のポータブル測定器で実走行中に測定されて足をすくわれたようだ。
欧州の規制当局にも問題
一方、トヨタなどは、自社の開発経験から、フォルクスワーゲンの数値が良過ぎておかしい、と、欧州の規制当局に調査依頼をしていた。規制当局からは、なしのかつぶてで、これも今後問題になる可能性がある。
ディーゼル市場の将来
欧州は、燃費にうるさく、全体の半分はディーゼル車。
それだけに、今回の不正発覚は「ディーゼルは経済的に成り立つのか?」「本当にクリーンエネルギーになるのか?」という根本的な問いにまで発展し、場合によってはディーゼル車市場全体が吹き飛ぶ可能性もある。
フォルクスワーゲンの業績
フォルクスワーゲンは、ディーゼル車のおかげで、急激に売上が伸びており、今年の前半にはトヨタを抜いた。
ただし、VWは労働組合が強く人件費が高いので収益性が低く、時価総額はせいぜい10兆円程度で、トヨタの24兆円に対して見劣りがしていた。
今回の報道で、その時価総額のうち、既に3-4兆円が吹き飛んだ。
フォルクスワーゲンの今後
まずは、罰金。
米環境保護局(EPA)によると、同局は1台当たり3万7500ドルの制裁金を科す可能性がある。対象車は約48万2000台で、その場合、最大180億ドル(約2兆1600億円)となる。対象は09-15年モデル。
同社はまた、集団訴訟などでさらに何十億ドルもの費用がかかる可能性もある上、刑事捜査にも直面。ウィンターコルン最高経営責任者(CEO)が引責辞任した。
フォルクスワーゲンが、ズルをせずに、規制をクリア出来ているのかどうかもわからないので、リコールで収まるかも不明。
フォルクスワーゲンは解体に追い込まれる可能性大。
VWは、ポルシェやベントレー、ランボルギーニなども所有するので、これらのブランドを売って生き残りを図るしかないのでは?トヨタにとっては、良いチャンスかも。